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「えんとつ町のプペル」の「お金の奴隷解放宣言」から起こった炎上を考える

ここ数日インターネット界隈を賑わしていることのお話です。
ヤフートピックスにも出ていましたので、知ってる人も多いことでしょう。

ことの発端は19日の木曜日のこの記事でした。
lineblog.me

ブログを開いて同一画面内に三つも同じ画像が来るとかギャグですかね、じわじわと笑いが出てきそうになる、という話はおいといて。
タイトルからしてもうパワーワードが炸裂しているのですが、ものの見事に炎上してしまいました。

皆さん、色々と反応もあるようですね。

ただ、個人的に引っかかった点がいくつかありました。
正直これをtwitterに書くので済ませてもいい気はしたのですが、恐らく相当長くなりそうだなと感じたのと、まとめることで股見えてくるものがありそうですので、
個人の意見として色々思ったことを書き残しておきたいなといったところです。

全体の大まかな経緯など簡単に分かりやすいまとめを探したんですが、上手く見つけられませんでしたので、ひとまずtogetterをば。
togetter.com



※予め了承していただきたいことですが、基本的に西野氏自体が好きではありません。
そこらへんの感情抜きで語りたいとは思っていますが、そこで不快に感じられる場合は大変申し訳ないです。


絵本の無料公開という行動は素晴らしい

上のブログなどで語られていますが、ようは、発売3ヵ月という期間で23万部も売れたという西野氏が出版した絵本「えんぴつ町のプペル」。
小学生から「2000円は高い」というコメントをもらったことがきっかけだったとのこと。

それを憂い、発端のブログの記事タイトルにもなった「お金の奴隷解放宣言」を高らかに宣言し、別サイトにて無料公開をしたという話ですね。

この話自体非常にいい話だと思います。
個人的に「小学生が2000円出して絵本を買うとかお金貯めりゃ早いじゃん」やら「親に頼んで買ってもらえばいいんじゃ」やらと考えたのは事実ですが、
それを含めても無料公開を決断する行動力はもっと評価されるべきだと感じます。

世の中、「やらない善よりやる偽善」という言葉もあるくらいです。

そもそも、絵本は買いそろえるとかそういう次元ではなく、全く別のベクトルの存在だと思っています。
絵本といえば、読み聞かせなどで使いますし、それこそ、クオリティ重視したものもありますが、基本的には自分で読書をするから買う、といったものがあまり当てはまる存在ではありません。

実際、本屋へ行くと、他の単行本と比較しても絵本コーナーは試し読みしやすい環境になっています。親子で本を探すのも、子供に読む本を選ぶのにも適しています。
私も成人になってから、大学の講義の兼ね合いで絵本の読み聞かせをすることになり、どの本にするか本屋で実際に手を取り、ページをめくり探したということがあります。
それは、今回の絵本のwebでの無料公開となんら変わりはありません。
ただ、画の画質が悪いという意味では、絵本に劣りますので、実際に絵本を買う際の参考としても役に立つのではないでしょうか。

そう考えると、今回炎上した中で触れられている「絵本の無料公開」が問題というのはそれは違うんじゃないかな、と感じています。
そりゃあ、これが西野氏が一人で全て描いたのならいいのですが、多くの人が関わっているものですし、
彼らへのサポートもしているようなアピールはありますがはっきりそれ以上にやらかしているところがあります。
これは後述で触れたいところ。

それでも、ほとんどを公開しているとはいえ、所謂単行本の1巻分常時無料で読めます!といった文面となんら変わらないと思います。
クオリティを落とすことで、完全版として購入させるという流れも作ろうと思えば作れますし。
実際、無料公開後にAmazonではランキング1位になったとのことで、結果は実際に出ています。

そもそも炎上の原因は「お金の奴隷解放宣言」という言葉にある

普通に考えて、それしかないよなあ、と思います。

ブログの文章に散りばめられた言葉の凶器

直球的に、これほど人に「はあ?!」と反感を持たせるパワーワードはないでしょう。
これを狙っているとしたら、それを芸人としてやっていた頃にもっと活かして欲しかったのに……。

関係者がどう感じているかというところも重要だとは思うんですが、ブログの文面全体を見ていくと、
「マグレ当たり」といった記述など、これが故意(しかも悪意)でなければただ単に浅はかとしか思えない文面で、むしろこれでキレない人が出ないはずがないよな、と思いますよ。

もしかして、お金の奴隷から開放されてない!?

ブログ内では「お金のやり取りを取っ払う」ことと「恩をやり取り」するという二つのことに触れられていました。
なるほど、貨幣に代える価値としては提案としていいものではないかと”は”おもいます。

ただ、本人としては収益を得ることがそもそもの目的なのは事実。
ブログでは二の次に置いているいうニュアンスは話しているようですが、肝心の無料公開のサイト「spotlight」がそもそもキュレーションメディア。
つまりPVに応じて収益が入るというもの。結局はアフィリエイトと変わらないものです。

って結局本人はお金の奴隷のままじゃん!?
……とtwitterでも突っ込む人が多々見られました。
本当にそこはなんなんでしょう。体を張った新ギャグなのかな?というところです。

無料公開版で省かれた、スタッフクレジット

これは正直触れないといけないな、と思っています。
個人的に一番「おいおい西野さん、それはどうなんだよ!?」と憤慨したところです。011

スタッフの存在を消したいのか?という疑念

あえて直接触れてませんでしたが、この本、西野氏が手がけたというのは誇張表現です。
一応プロデュースもしていますし、絵コンテも手かげているのですが、その多くをイラストレーター等のスタッフの元、製作されました。
(一応触れておきますが、本人からも「賃金は既にスタッフに払っている」とのことで、収益の関係には絡んでいないようです)

流石に表紙に全員分入れることも出来ないですし、巻末にスタッフクレジットとして、関わった人たちの名前が記されているということなのです。
そのはずなのです、が。

無料公開されているページを探しても、スタッフクレジットのページが存在しません。
その情報を見て「流石に西野氏とはいえそんなばかなまねはしないだろう」と確認したのですが、確かにありませんでした。
この記事を書いている時点でも、存在していません。

流石に、「これはふざけているだろう」と感じました。
どういう媒体にせよ、関係者の名前を残すのは重要だと思います。
フリー素材しか使ってないんで!とかそういうことを言うのなら話は若干変わっていくのかも知れませんが、実際に金銭のやり取りが関わったもので、
代表した人が出した本をネットで公開するときにそれを削るのは、どうなんだろうと。

ネットを探すと、どうやらスタッフのことを調べている方もいるようです。
www.mariyatsu.com


と考えていましたが、そういえば去年の夏ごろにこの絵本を作る際に色を塗っている人が西野氏ではない、という話題があったのを思い出しました。
その経緯を調べていくと、当初は自身だけの存在を明かしていましたが、次第に他のスタッフの存在がいることが判明していくという感じでして、今回のと似た印象があります。
なぜか隠すように動いていたなあ、というところですが、もしかして今回も自分の仕事というその名誉を見せたかったのでしょうか?
本を買えば、確実に分かるのですが、結構ネット上では西野氏が一人で描いたと誤解している方も見受けられたことを考えると、偽るのはいけないでしょ、と思います。


ブログで触れるも……

むしろ、こちらの件を一番書きたいと思って考えていたのですが、どうやら流石にこの件について苦情が来ていたようで、西野氏もブログで触れています。

lineblog.me


読んで簡単に思ったのは、「もしかして、この人、炎上商法狙ってるとかじゃなくて悪い意味で気をつかっているだけの浅はかな人なのでは」と。

絵本『えんとつ町のプペル』は出版社側にかなり無理を言って、最後に2ページを増やして、スタッフクレジットを入れています。
制作に携わった全スタッフの名前を入れています。
皆で作った本だし、この作品が一冊でも多く届くことで、一緒に汗を流したスタッフの皆様に次の仕事がいくといいなぁという判断から。

これに対して、
「だったら表紙にスタッフの名前を載せろ!」だとか、
「ネットに無料公開した時にも載せろ!」
といった声も届くのですが、僕は売れることを考えています。このスタッフの皆さんの名前が、一人でも多くの人に見つかることを考えています。
その時、スタッフの名前だらけの表紙の絵本は売れませんし、スタッフの名前だらけのネット記事はバズりません
お客さんからすると、まずそこは知ったこっちゃない部分なので。
大切なのは、このページを一人でも多くの人に見られることだと僕は考えます。

という記述を呼んだんですけども、なるほど、どうやらそもそもこの人の考えとは相容れないんだなという印象。
それなら仕方ないことです、彼がそう考えていることにとやかく言うのも筋違いというものなのかもしれません。

……が、見ないから省くというのは別問題だと思うのです。
お客さんだけ考えているのも別にいいでしょう。ですが、同じ仕事をした人の存在を蔑ろにするなんて、私だったら恐れ多いなと思うだけのことでしょう。

今回の件で、今後仕事を依頼されても敬遠される可能性を上げてしまう行為にしてしまったという不安要素を作ったのは事実ですし、それをどうにかするのが本人の技量でしょうから。
ただ、スタッフに金は払ったから残りは全ての自分の手柄、名声にするという態度は正直に言って、ああこの人そんな程度の人間なんだなとしか感じられませんでした。

お願いだから余計な事を言わないで欲しい

最後に、まとめを語って締めたかったのですが、寄りにもよって多方面に延焼させていることになってしまったので、そちらにも触れなければなりません。

無料公開された後、ある一人の女性がこの件に苦言を呈していました。


明坂さん、声優です。
……ああ、知ってる。なんか知ってる。
なんだっけ、石なんとか太郎……西野氏みたいな驕りがあって監督放り投げた人のアニメに出ていた人でしょ。


どうやら、彼女は元々のクラウドファンディングに出資し、絵本も買ったという完全なクライアントどころかスポンサー的立場とのこと。
……そう、触れていませんでしたが、この絵本の企画、クラウドファンディングです。おそらくスタッフの賃金などはここから宛がわれているのではないでしょうか。憶測ですけど。
絵本も購入した彼女にとって、無料公開したという事実に対してはかなり怒り心頭の様子。
無理もない、絵本を無料でweb公開することに出資したわけではないでしょうから。

で、それに反応した西野氏とのやり取りの中、上記のツイートが行われました。

もうまさに口あんぐりですよ。
「TVアニメが無料公開」って何のご冗談かと。
西野氏が出ていたテレビバラエティーなどと全く同じように、スポンサーのCMや商品、DVD等で支えられているというのに。
というか、今回の無料公開とある意味では場所の提供というスポンサーがいるわけで、立場別の意味で同じなので言ってることは変わらないっちゃ変わらないんですかね?
流石にこの発言は一番やっちゃいけない部類だと思います。

しかし、なるほど、この人やっぱり炎上させようとしているというか単に浅はかな人間なんじゃないかな??
と強く感じています。

ここまでのまとめ~結局なにが悪いのか

ここまで一通り思ったことを綴ってきましたけれど、賛否両論という中でも、否定的な人の怒りの箇所が様々だな、とは感じられます。
ただ、個人的には無料公開の理由と手段こそ懐疑的な面もありますが、評価されるべきだとは思いますし、彼が反論の際に触れている「音楽のPV」と似た側面もあることでしょう。
しかし、そのプラス面をゼロにする勢いの、軽率な言葉の使い方に、どことなく上から目線に感じられる印象というのがほとんどの原因となるのではないでしょうか。
Facebookの宣伝ツイートで「週に一回炎上してる」ことに触れているのですが、
それが分かっていてあえてやっているのなら相当な鋼のようなメンタルのやり手ですし、
あまり意識して考えずやっているのなら、相当な鋼のメンタルを持った軽率な言動の人間となります。
どちらにせよ、過去の本人の言動(特に悪評に繋がるもの)から考えても、
本人の鋼鉄のごとく傷一つ大した痛みもないメンタル面を見せているのは間違いないのかな、と。
内面的に、となるとそれは分かりませんが。


今回の要点をざっくりまとめると、

  • 絵本の無料公開はやるべき、というか特別なことなわけじゃないからやってほしい
  • 発言内容が作品の名誉に傷を付けている
  • スタッフなどクリエイターに対しての敬いが感じられない

こういったところでしょう。
本人がよければいいのでしょうが、これが原因で今後の氏の活動に影響しないのかというところは気がかりです。




……で、一通り締めようと思いたかったのだ。本当に、これで沈静していけばいいと思っていたのです。

ブログで吊るし上げ行為、そして

個人的な話だが、金曜の夜に上の文章を仕上げ、とりあえず深夜に更新するのもなあ、と思い私は寝まして。
休日なのをいいことに、遅くまで寝ていまして、起きてから、ふとネットで他の人の意見を見ようとヤフーのトップを見ると、明坂さんのお名前が。
「まだ、昨日のが残ってるのかな?」と思ったのですが、


lineblog.me

まさか、個人名を出した記事を出してくるのは考えた人もいないでしょう。
それだけに、私も「はあ?」と一瞬頭の回転が止まりそうになりました。

一夜たって流れを改めて読むと、両者の言い分も十分分かりますし、それこそどちらが正義で悪といったものでもない正解の見えないものでしょうから、
それを含めてこれからの世の中に持っていけるのは出来たでしょう。
実際、記事の中身は割と普通のことが書かれていますし、むしろ主張内容は全う。

なだけに、このタイトルのつけ方の悪意は流石に怒りよりも、心底ドン引きというか、そういう感情が湧いてきます。
もしかすると、本人は知らないのかもしれませんが、仮にも自信の絵本の企画のクラウドファンディングの出資者に文句言われたからといってその実名を出してブログに書くのは
人間としてどうなんでしょうか。故意だろうと不意だろうとそれをやってしまうのは一線を超えてしまっていて、内容を語るま以前の問題だと思うのです。

そう思っていたら、ある人がこれに言及してきました。
これ以上グダグダ書くのも埒があかないなと思っていますので、その方の記事を紹介して締めとさせていただきます。

lineblog.me

えっ、あ、うん……?ってヤマカン……?
※アニメ監督。過去に「その域に達していない」との理由で監督を変えられたりtwitterで西野氏のようによく他のユーザーと言い争いをする人。


なんというか、どんどんイロモノが中心に集まってる気がしてきたのですが、どうなるんだろう……?
とりあえず、西野氏が所謂エゴサーチで情報集めているようなので、是非とも現金か「はねるのトビら」のDVDの無料化をして欲しいところです。ご健闘ください。塚ジーコ見たいんで。