今日も風に流されて

流行などに流されながら色々と

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湯平温泉はいいぞ、というお話

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少し前、というほど前ではないのですが、先月の月末、丁度平日の中日にまとまった休みが出来まして、少し小旅行に行くことにしました。
とはいっても、平日の2日程度ですので、あまり遠出は出来ません。
そこで、大分に行くことしまして、丁度いい機会ということで湯平温泉へと行くことにしました。
今回はその話をしたいなと思います。

湯平温泉とは?

さて、今回泊まりました湯平温泉について、ざっくり説明したいと思います。
とはいえ、私自身とても詳しいわけではありませんので、ネットの情報をみてみましょう。


湯平温泉の歴史 | 湯平(ゆのひら)温泉|大分県由布市湯布院町「日本一のおんせん県おおいた」にある天然温泉の温泉観光地

度々の大火により、残っているのはほとんど外部の文献のみで、謎にも包まれている温泉ですが、800年前ごろに開かれたとされています。
その後、長らく療養型温泉として、種田山頭火といった偉人も訪れる場所だったそうです。
戦前までは別府に次ぐ規模で温泉の番付でも上位にするほどでした。
しかし、戦後、山の下にある由布院温泉の地位の上昇にのまれていき、今では昔ながらの風景が残る、まったりとした温泉街になっています。
とはいえ、近年のインバウンド需要もあり、由布院ほどではないにしろ、温泉地として今も観光地の一つとして名前がのぼります。

行こうと思いついた契機

前々からその名前こそ認知はしていましたが、温泉街は山の中とアクセス面で不利なところもあり、私自身敬遠していました。

冒頭で、まとまった休みが取れたということも理由の一つですが、それより大きいのがゆふいんの森の存在でした。

七月に発生した九州北部豪雨により、日田市の久大線の橋梁が被災、流されてしまいました。
それに伴い、博多駅から久大線を走っていた特急「ゆふいんの森」が運行できない事態に。
対応として、小倉から日豊線を経由、大分駅から久大線へと向かう臨時ルートでの運行を開始。
元々、車内の多くが中国や韓国からの旅行客を占めることが多かった関係もあり、ニーズを失わないための手段でした。


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…が、厄介なことに5時間弱はかかるルート。元が2時間半やそれくらいでしたので、かなり時間が掛かってしまいます。
そんなこともあり、乗車率は落ち込んでいたのです。
臨時ルートでの運行は滅多にないですし乗ってみたい。
が、日帰りは少々強行日程になります。
とはいえ、由布院に泊まると高いし、別府は過去2回泊まっているし、開拓したい。
でも、温泉には入りたいしなあー。

と考えているときに、とある宿の存在を思い出しました。
それが湯平温泉へと向かう決め手となったのです。

長い由布院への旅路

計画を立ててしばらくして、由布院へと向かう日、朝もしっかり目覚めて準備万端…だったのですが、不穏な文字を見かけました。

遠賀川駅火災」と。

その日、鹿児島本線遠賀川駅の建物内にある店舗内からの出火により、駅舎まで巻き込む火災が発生していました。
その影響で、一時運転見合わせに。
ダイヤも乱れることになりました。

大幅の遅れも心配されましたが、結局遅れは取り戻し、5時間近くの乗車だったのですが、ぶっちゃけ車内、想像以上に時間の長さを感じませんでした。
席さえ空いていれば区間での乗車もできますし、時間の余裕があればいいかもしれません。

因みに余談ですが、乗車率が低い日であれば最前列を確保することが可能です。
通路側だと確実に前面展望が楽しめますので、お勧めしたいところ。
私は窓側だったので少し惜しいことをしてしまいましたが。

由布院と湯平は遠い

由布院から湯平温泉までは知り合いの車で行きました。
車でおよそ30分。山を登っていく形になります。
後述する湯平温泉の宿は、送迎を行っているところもあります。その場合、最寄りの湯平駅となりますが、それで10分ほどですから、結構な距離なのは分かりやすいかと思います。
道路の線形の問題でもありますが。

山道に入ると、しばらく走ってロックシェードをくぐります。
これが、なかなかいい雰囲気のもので、一応は片側一車線の道路ですが、ロックシェードの箇所のみ一車線となっています。対抗を待つ必要があるのです。
自らいくことはしないものの、廃道などを扱うサイトに出てくる「険道」で見かけるようなロックシェードはロマンを感じますね。


少し脱線しましたので話を戻しましょう。
九十九折りもある山道を登ると、温泉街があります。
メインの通りは石畳なのですが、下側と上側でガラリと傾向が変わるのには注意ですね。
下はきれいに石を並べているのですが、上側は不規則に石畳があり、慣れてない人が運転するのは大変じゃないかと思います。
運転した知り合いは慣れていると思うのですが、それでもやはり苦戦していました。

時間だけみればいうほど通さはないのですが、やはり信号が少ないことに加えて山の谷間で似た風景で少々長い印象はりました。
ゆふいんの森は止まらないのですが、湯平駅から車でいくほうがおそらく安心できそうです。坂はスゴイけど。

温泉街の旅館はいいぞ

旅館の選択

さて、今回湯平温泉で泊まったとの話でしたが、前述で「ある宿の存在を思い出した」と話しました。
インバウンド需要はあるとはいえ、近年の湯平温泉の知名度向上に少し貢献しているだろうその宿です。

tsuruyaintaku.hp.gogo.jp


それがこちらの「つるや隠宅」さん。
アットホームな旅館ながら、その歴史は長い宿です。


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が、決め手はそこじゃない。
そもそもGoogle検索で出てくる関連ワードにアイマスの「ウサミン」やら「けものフレンズ」やら出てくるのです。


そう、「けものフレンズ」でした。
その名を見かけたのは3月のいわゆる「けもフレ11話ショック」と呼ばれる一連の話。
その際にショックと予約のない日がタイミングよく近くにあったため、「ショックから休館する」というツイートのニュースでした。

その時「そんな旅館のTwitterあるのかよ」と思っていたのですが、少し気になってはいました。
その一件がバスったためか、その後もタイムラインでツイートを見かけることもありました。

調べると、空き部屋もあり、部屋の広さと三種類あるようで、選べる状況でした。時期が時期とはいえ、余裕を持たせると埋まるかもしれない…!
少し悩んだ末に、予約を取ったのです。

わーい!(旅館)たーのしー!

実は由布院に着いてから金鱗湖を観光したためチェックインの予定時間を過ぎそうになっていました。
向かう前に電話をすると、遅れるというのにとても優しい対応で、既にこの時点で「落ちたな」と言われそうな状態。
宿に着くと、チェックインをして部屋に案内、そして説明をしていただきました。
時間は既に6時前で、すぐに夕食となるので、荷物を整理しました。


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旅館にある窓側の空間と、その先の外の風景の時点で最高な思いです。
外には温泉街に沿って流れる花合野川の川音が鳴り響きます。

というより、この湯平温泉の温泉街が川に沿って形成されているのです。
都会の喧噪なんて程遠い、虫の声と川音が響く場所、なんだここ最高かよ。
おもわずそう思わずにはいられませんでした。

夕食は旅館らしく沢山の料理が出てきます。そして美味しい。

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実を言うと、恥ずかしながら茄子が苦手なのですが(食べることは出来ます)、普通に美味しくいただけました。
はあ、食事付きで13000円くらいあれば泊まれるとか最高やない?と皆に宣伝したくなっていました。

昼と夜の温泉街

食事をすませて少し部屋で寛いだ後、入浴をさせていただきました。
こちらはお風呂が2つありまして、それぞれ貸切風呂となっています。
内風呂と半露天風呂とあるのですが、空いていれば利用が出来ます。
私は半露天風呂に入りました。
(浴室内は撮影出来ないので写真はないです。というかスマホのバッテリー少なかったのです)

浴室にはいくつけ桶があります。
もちろん、ありました。


け も の フ レ ン ズ コ ラ ボ の ケ ロ リ ン 桶 が 。
 
導入した、という話は知っていましたが、二種類共にあるとは…!


露天風呂は陶器のお風呂でお湯はかけ流し。なかなかの熱さで熱い風呂が得意ではないので長風呂とはいきません。
しかし、川の音が響くお風呂はなかなか風情があります。


入浴後は、少し体を覚ましてから温泉街を歩くことにしました。



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温泉街は坂であるため、むしろ写真が撮りやすいですし、何より物静かで、基本的に川音しか聞こえません。
というか、散歩中に見かけたのは地元の人と思われる共同浴場のお客さんを含めても10人いたかな、というくらい。
まさに鄙びた温泉街、とでも言うべきでしょうか。
しかし、平日とはいえ、この少なさは少々寂しい気もします。

因みに湯平温泉ですが、温泉街以外の観光地というのは基本的にありません。
そりゃあ、日が暮れれば地元の人と宿泊者しか居ないのと変わらないでしょうし、活気があるとは言えないもの無理はないでしょう。
しかし、それもなかなかいいものです。


翌朝、朝食の時間まで余裕がありましたので、朝の温泉街を散歩してみることにしました。

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夜とはまた違った雰囲気で、昼夜問わず響く川音と虫の音が響く温泉街は心休まる場所です。
正直なところ、ここまでいい場所とは思っていなかった。
それだけに、もう少し注目されて欲しいなーという感覚もありますね。

それにしても、廃業された旅館と思われる建物も多く、一時代を築いていたとはいえこの状態には少し寂しさも覚えます。



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朝食はシンプルながらバラエティ豊か。
前日の夕食も含めてとてもおなかいっぱいになりました。


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前日は知り合いに送ってもらったものの、帰りは特に手段を用意していませんでしたが、湯平駅まで送っていただくことになりました。
列車の時間に合わせて出発し、山を下り駅まで行きました。

湯平駅無人駅なのですが、簡易郵便局が隣接しています。
駅前にはタクシー乗り場もあり、タクシーが止まっていました。
また、駅前にはコミュニティバスのバス停もあり、本数こそ多くないものの、由布院の中心部からのバス路線などがあるようです。

送っていただいた後、乗る予定の列車とは別に臨時として特急「ゆふ」が反対方向ですが止まるのを知りまして、そちらに乗ることに変更。
時間が空いたので、駅舎を撮っていると、どこか別の宿の方でしょうか、他の人を送りに来ていた方から「どちらか行かれますか?」と声を掛けられました。
なんというか、凄く暖かい……。
温泉のように、暖かな気持ちにさせてくれました。

駅のホームで待っていると、夏の終わりをも感じさせる少し涼しげな空気と、照りつける太陽、そして広い青空といった光景が広がっています。
湯平温泉での一泊をしみじみ感じながら、列車を待つのでした。

湯平温泉に行ってみてほしい

今回、湯平温泉に行きましたが、大分の他の主要な温泉とはまた違った魅力が溢れています。
宿泊するとしても、由布院とさほど変わらない値段ですし、ゆっくりお湯に浸かることが出来ますから、お勧めしたいところです。
皆さんも湯平温泉へ行ってみてはいかがでしょうか。




余談1 「てんくう」もいいぞ

さて、湯平駅で特急「ゆふ」に乗り、その後、大分駅へと着きました。
少しぶらぶらしまして、偶然にも福岡に住んでいる友人と大分で出会いまして。
少し話したのち、もう一つの目的である、「シティスパてんくう」へと向かいました。

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大分駅は近年の高架化で、駅前に「アミュプラザ」やホテルが作られたのですが、そのホテルの上階に「てんくう」は存在しています。
地上80mからの絶景が臨める温泉で、最上階に露天風呂を備えています。

www.cityspatenku.jp


値段は1500円ですが、魔法のチケットで500円ではいることができました。

というのも、そもそもこの旅行の際に「おんせん県おおいたきっぷ」を使用していました。

www.jrkyushu-kippu.jp

乗車券と1000円分のチケットがありまして、そちらをてんくうで使えば1000円引きになるのです。

入浴しますと、丁度人も少なく、広々としていました。
しばらく内湯に入っていまして、目的の露天風呂へ。

露天風呂からは公式サイトの写真も納得の風景でした(写真はありませんが…)
ところで、最上階とはいえ開けた場所で露天風呂ってどうなのか、と思うかもしれません。
が、これほど高い建物が周囲にありません。街でもっとも高いところから街を見下ろすので、見られる心配はさほどいらないかと。
と、いうか、所謂ラッキースケベはないかと。見られるなら、見ている人が明らかに故意ですし。

露天風呂には隣り合わせで2つお湯があります。
片方は内湯と同じ成分ですが、もう片方は高濃度炭酸泉。炭酸が多く入っています。

熱いよりも少しぬるい方が好きなので炭酸泉に入ったのですが、これが気持ちいい。
加えて景色も最高で、眺めの先には高崎山や、別府も少し見えるでしょうか。 遮るものもないので広がる景色を楽しむことが出来ます。
これは、毎日通っても飽きないだろうなあ、と感じます。
というか、近くて金の心配しなけりゃ毎日入りたい。


というわけで、ゆっくりと楽しむことが出来ました。
てんくうもいいぞ。と声高に言いたい。

余談2 けもフレ旅館

泊まらせていただいた「つるや隠宅」さんですが、宿泊プランの中には、アメリカンサファリチケット付きのものもありました。
そこに「わーい!たーのしー!」といった非常に聞き覚えしかない言葉があります。
ああ、完全にけものフレンズですね…。

実は宿泊する前々日と前日、休館していました。
時期も時期、宿泊客が居なかったこともあるのですが、丁度けものフレンズの再放送の終盤と重なっていまして。
個人的に「うわあ、語りたい」と思っていたのですが、機会もなく話すことが出来ませんでした。
代わりに、翌朝、目覚ましの代わりにけものフレンズ第1話を再生したのでいいことにしましょう。いや、全然関係ないやんけ。

そして、湯平駅に居る際に、バッグに忍ばせていたストラップを出して、記念に撮りました。

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背景いいなー、と思ったのですが、現在この記事を書きながら、建物背景に撮ればよかったんじゃん、と。
ああ、勿体ない。
次の機会の楽しみとしておくことにしましょうかね…。