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アニメ「ポプテピピック」は本当にクソアニメなのか

2018年も始まり、はや一週間。
既に数多くのニュースに溢れている日本。
そんな日本であるアニメが始まりました。

そう、日本を代表するもの「新幹線」、それをロボットにした革新的なコンテンツ、「シンカリオン」ーー


ーー違いました、そっちの話じゃあないのです。
昨年の春に発表され、日本に多く存在するクソマンガ愛好家、クソアニメ愛好家を中心に注目されていたクソアニメ、「ポプテピピック」。
その第1話が放映されると共に、すぐさまアニメファンの中で騒然となっています。
hoshiiro.jp

ポプテピピック」は、本当にクソアニメなのか、考えてみたいと思います。


まず最初に言っておきますが、ガチのクソアニメです。

ポプテピピック」とは?

まず、この「ポプテピピック」という作品について簡単に触れていきましょう。
 キャラクターこそ知名度はありますが、おそらく作品自体はそこまで知らない人も多いのではないでしょうか。

原作はクソ4コママンガ

竹書房の「まんがライフWIN」で連載されたこの作品は、小さい方のポプ子と大きい方のピピ美の2人で基本的に構成されています。
mangalifewin.takeshobo.co.jp

見た目はポップで可愛らしいのですが、パロディなど無法地帯の作風のシュールギャグとなっています。
作者は大川ぶくぶ先生。
ポプテピピック知名度を上げる前は自身の主宰するサークルで、ニコニコ動画などで人気のある東方という同人コンテンツの二次創作漫画などを発表していました。
そんな先生を商業の広い世界に解き放つ大罪を犯してしまったのが竹書房でした。
この竹書房、同じ東方の二次創作界隈でもトップクラスにヤバいとのことでニコニコ動画界隈で知られていたちょぼらうにょぽみ先生も放し飼いにしており、非常にヤバい会社なのです。
2014年に「ポプテピピック」が連載開始されるのですが、あまりのクソマンガで翌年に連載打ち切りになってしまいました。

不死鳥の如く這い蹲る

その最終回の画像は見たことがあるという人は多いのではないかと思います。
最終回ということで、ポプ子は竹書房のビルを破壊するなどのコマは非常に有名でしょう。
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加えて、作中では竹書房との抗争が続いていて、看板に「指定暴力団」と書き加えるコマなど、特に破天荒。
最後の2コマでは「地べたを這いずり泥水をすすってでもまんがライフWINに戻ってきてやる」ととてつもなく物騒なことを言い放ち、終了したのでした。

その半年後、「☆色ガールドロップ」で舞い戻ってきた…と見せかけ、ラブコメ4コマの皮を被りセカンドシーズンが開始。
本当に舞い戻ってきたのです。おいおい不死鳥か何かかよ。

突然のアニメ化に困惑する人多数

そして、昨年の4月1日、突如「☆色ガールドロップ」のアニメ化が発表されます。
既に前述の流れを知る人たちは「おいおいポプテピピックアニメ化するのかよ!?」と既に流れに気づいていましたが、翌日「ポプテピピックアニメ化」と言い直しでの発表。

しかし、そもそも4コマの中でも尖りすぎてアニメ化するにも、という作風からどうするのか、という声もありました。

アニメスタッフ

ここ近年はアニメ制作は制作委員会制度が多く取られています。
こちらはメリットデメリット共にあるのですが、出資企業が多くなることはやはり当てた時の効果は大きいもの。

そしてこのアニメは….キングレコードだけでした。
まあ、情報だけな、自社の声優を起用してキャラソンも出せますし、確かに悪くはないのですが…。
…こんな作品で何を求めてるのだ。というのが最初に抱いた感想でした。

アニメーション制作スタジオは神風動画。
ジョジョの奇妙な冒険のTVアニメシリーズのオープニング映像で評価をあげているスタジオではありますが、TVアニメの元請作品として初めての作品となります。
いや、これが初めての元請制作でいいのかよ。

発表では、小松未可子さんと上坂すみれさんがそれぞれ出演するとのことでした。
見ていない方はこの事をしっかり胸に刻んで視聴されてください。


※以下は作品のネタバレを含みます!

アニメ放映

そして、去る1月6日の深夜25時、アニメは始まりました。
そう、悪夢のような30分が…

我々の斜め下の異次元を進むクソアニメ

恐らく、視聴した多くの人が「なんだこれ」と感じたのではないでしょうか。
期待されたクソさなんてもの比にならないレベルのクソアニメに、精神力を削られた人も多くないでしょう。

一体何がヤバかったのかまとめてみましょう。

  • 中の人が違う

正直、声優の発表を真に受けてはいけないことは分かるべきでしたが、「小松さんと上坂さんがどこまで壊れるのか」をちょっと期待していました。
しかし、喋ったのは明らかに野太いおっさんの声…。

江原正士さんと大塚芳忠さんでした。

実は漫画の作中で「アニメ化するなら誰がいいか」という下りがあったのですが、そこで出て来たのがそのお二人。
原作の希望通りの配役になったのです。
いや、だからって、本当に実現させるのかよ、と思いますがつまりそういうアニメなのだ。
名だたるベテラン声優2人がこんなクソアニメで熱演するのか…と思いつつ、後述する流れに抵抗するのでした。

  • これ30分かよ

あまりにヤバいのでTwitterで「これ30分かよ」と呟かれたようで、このワードがトレンド入りするほどに。
こんなん30分持つわけないやん…と思いつつ、半分に近づく頃、EDが流れました。

残り半分何やるんだ?実写か?と思っていたら


再び1話が最初から始まりました。

誰が15分を二回やると考えたんだ…。

  • キャスティングに金をつぎ込んでる…!?

しかし、内容こそ変わらないものの、声優は変わっていました。

三ツ矢雄二さんと日高のり子さんでした。

思わず「待てやあ!!!」と突っ込むしかありません。
キングレコード、一体どこに金をつぎ込んでいるのか…。
というか、小松未可子上坂すみれはどこに行ったんだ…。

  • 映像がヤバい

基本的にパロディが大量で自ら爆死市にいくかの如く畳み掛けてくるのですが、その中でも特に視聴者の息の根を止めにきたのが「ボブネミミッミ」の枠。
おそらく、一番ここがきつかった…という人は多いでしょう。正直わたしもきつかった。

このアニメ、神風動画制作ではありますが、実際は複数の制作陣の作品が詰め合わせになっています。
その中で「ボブネミミッミ」を作ったのがAC部です。
特に異質な映像を作るグループなのですが、ポプテピピック内でも非常に癖の強い作品です。

  • そもそも試写会と内容がほとんど違う

昨年12月に試写会が行われているのですが、その際に1話として流された内容とほとんど違うとの情報が流れました。
どうなら、外国人クリエイターのところは変更なしのようですが、本当にほとんど変わっているそうです。

また、放送直後には「BSとAbemaTVで内容が違う」といったツイートも流れましたが、モザイクの有無以外には内容に違いはないようです。

アニメ「ポプテピピック」はクソアニメなのか

内容に触れましたし、そろそろクソアニメなのか考えていきましょう。

そもそも「クソアニメ」とは

簡単にクソアニメの定義を説明しますが、やはりこれは個人の感覚の違いも大きくなります。
個人的に合う合わないで語れるものではないのですが、基本的に「作画や脚本、演出など内容がひどい」というのが評価の基準となってくるでしょう。
そうしてみると、ポプテピピックはクソアニメでしょう。

ただ、個人的に「クソアニメ」と簡単に言うのは違うなあ、という感覚を受けています。

昨秋のクソアニメ三銃士が強すぎる

それの遠因が、昨年に放送されていたクソアニメたち。
夏の「異世界はスマートフォンとともに」はブログで触れましたが、それに引けを取らない秋のクソアニメ三銃士がありました。

演技力が光っていたものの、原作の内容に加え演出や作画がグダグダだった「王様ゲーム」、初回から初見を振り切ってきた「Dies irae」さえも凌ぐ、かつてクソアニメの中でも光り輝く2017年の最高傑作「DYNAMIC CHORD」があります。
「追いピアノ」や「ダイナミック構図」と言った語彙や群を抜いてネタになる作画など、2017年のアニメなのかよと思えるレベルの快作なのですが…。
しかし、それらを揶揄するクソアニメとは正直方向性が異なっています。

「生まれながらのクソアニメ」

どちらも、クソアニメと定義されてもおかしくないのですが、「ポプテピピック」は「クソアニメになるべく作られた」ものになります。
他のクソアニメは、低予算など様々な理由で、そのような状況になってしまったのですが、このアニメは最初からクソアニメを目指して作られています。
Twitterなどで他のクソアニメを「天然クソアニメ」、「ポプテピピック」を「養殖クソアニメ」と表現するのを見かけましたが、いい表現だと感じます。
「クソアニメ」自体は愛のこもった表現より、誹謗中傷の意味合いの方が本来の使われ方ですし、それを目指したのならば悪意の籠もったクソアニメになるのは当然なのかな、と思います。
とはいえ、アンチさえ作品の渦に沈めようとする勢いさえありますし、クソアニメでいいと思います、うん。

「現代版ウゴウゴルーガ」!?

さて、まごうことなきクソアニメだと思われますが、一方でTwitterで「ウゴウゴルーガぽい」というツイートをみかけました。

ウゴウゴルーガは1992年から94年までフジテレビ系列で放送された子供向けバラエティ番組でした。
確かに短い内容を連続して畳み掛けてくるスタイルといい、AC部のゆるさといい、連想させるものがあります。
というか、このノリ完全にウゴウゴルーガだ。と思ってしまいます。

正直ウゴウゴルーガも今みればカオスの塊と言っても差し支えないですし、凄く的を得た表現じゃないでしょうか。
スタッフもある程度ねらってる可能性はありそうですね。

結論

ポプテピピックはクソアニメかどうか、という話ですが、個人的にはクソアニメというより、「現代版ウゴウゴルーガ」「見る危険ドラッグ」という表現をしたいところです。
おそらく最終回で竹書房を爆破させるのは確実でしょうし、どこまで酷くなるのか…ちょっと期待です。